廣川 貴朗

英語は面白い!

  • 廣川 貴朗
  • HIROKAWA Takaaki
  • 教育学部 講師(英語学?統語論)

Profile

静岡県出身。2021年、東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。2021年4月から2022年9月まで東北大学文学研究科研究員。2022年10月から2023年3月まで東北大学文学研究科助教。2023年より現職。
研究者詳細ページ

文法を分析する

 今や小学生から学習する英語。でも日本語とは単語だけでなく、文法も異なるため、なかなか理解できないと思います。なぜ文がその構造で成立するのかわからないというのも、英語の関門の一つ。私は、一つの文に起きる現象を論理的に分析することでその関門を“わかった!” にしたいと思っています。
 例えば、「Under the bed is a good place to hide」という文。日本語にすれば「ベッドの下は、隠れるのにいい場所だ」くらいになり、意味は通じます。この英文の構造をみると「前置詞」で始まる、日本語で言えば「ベッドの下に」にあたる句が、主語になっています。一見すると名詞ではないものが主語になっているものの、英語を母語とする人には、これを自然に理解できるのです。私はこのように、文を構成する要素の構造や性質、またそれらの背後にある規則を分析する統語論という分野の研究を行っています。

理論から教育へ

 私の研究は、母語話者の言語知識を明らかにすることを目指しています。「母語話者ならこのような文を容認するのではないか」と理論的に予測を立てて文を作り、それを母語話者に判断してもらう。予測と異なる結果が得られれば分析を修正し、再検証と考察を行うことで、文の構造やその背後に潜む規則を明らかにしていきます。
 人類は共通した言語の基盤となる普遍的な言語能力を持っているという生成文法の考え方に則って、人類の言語能力が英語母語話者の言語知識の研究を通して、明らかになればと考えています。言語学の研究成果を生かせば、母語ではない言語を習得する際に理解が深まり、「辛い」から「楽しい」になるかもしれません。これは、学ぶ側だけでなく、教える側にとっても大切なことで、言語学的な知識を持つことで納得しながら教えられるようになります。特に、教員を目指す皆さんにも英語学という学問を少しでも知ってもらえたらと思っています。

 

生成文法の基礎を築いた
チョムスキーの理論書(右)と用語辞典(左)

It's My Favorite!

本場四川の担々麺が食べたくて、試行錯誤しながら料理をしています。芽菜(ヤーツァイ)という食材を買ったり、辣油を自分でつくってみたり、味の再現に挑戦しています。