指定難病“全身性強皮症”に光 -新たな治療標的分子「フラクタルカイン」の発見-

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医学部感覚運動医学講座 皮膚科学の長谷川 稔教授らは、厚生労働省の指定難病「全身性強皮症」について、CX3CL1(フラクタルカイン)という、患部への白血球の集中に関わる物質が発症のきっかけになり、それを阻害する抗体「抗CX3CL1抗体」が、この病気の皮膚の炎症、線維化、血管障害の症状をいずれも有意に抑制することをマウス実験で発見し、9月20日に松岡キャンパスで研究成果として記者発表しました。DSC_0056

全身性強皮症は、膠原病の一つで、皮膚や内臓に炎症、線維化(硬化)、血管障害を生じ、皮膚が硬くなって関節が強くこわばったり、血管障害のため指に潰瘍ができたりします。他の膠原病では有用な治療薬が開発されてきていますが、本疾患ではいまだ有用な治療法が確立されていません。

CX3CL1が全身性強皮症の新たな治療標的であるという今回の発見は、全身性強皮症のみならず、本疾患以外の線維化や血管障害をきたす疾患の治療としても有用な可能性のある画期的な知見です。難病で苦しむ患者さんに治療を提供できるよう進展が期待されます。

本研究成果は、2019年6月7日に米国医学誌「Arthritis & Rheumatology(アルスライティス アンド リュウマトロジー)」に掲載されました。

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│ 2019年9月20日 │
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