超小型衛星「AE2a」によるハイパースペクトル観測に成功

ホーム > 教育研究成果 >  超小型衛星「AE2a」によるハイパースペクトル観測に成功

本研究成果のポイント

◆福井大学が開発した線形可変フィルタを用いた超小型ハイパースペクトルカメラを、株式会社アークエッジ?スペース(以下、アークエッジ?スペース社)の6U級超小型衛星「AE2a」に搭載し、軌道上での観測に成功
◆福井大学としては、3度目の軌道上からのハイパースペクトル観測成功
◆これまでの成果を基に光学性能を向上させ、地上分解能(注1)約20m/pixelの可視近赤外ハイパースペクトル観測を実現し、植生解析による地表面状態の把握に成功
◆開発した光学?画像処理技術の信頼性と再現性を宇宙空間で実証し、社会実装に向けた重要な一歩となった

概要

 国立大学法人福井大学産学官連携本部(以下「福井大学」)の青柳賢英准教授が開発?改良した線形可変フィルタを用いた超小型ハイパースペクトルカメラが、地球観測に成功しました。2025年6月24日にFalcon 9(Transporter-14)で打ち上げられたアークエッジ?スペース社が開発した6U級超小型衛星「AE2a」(6U衛星汎用バス「リモートセンシングモデル」)に搭載され、試験電波にて観測を開始したことによるものです。
 福井大学で開発したハイパースペクトルカメラとして、3度目の軌道上観測成功となります。宇宙技術は軌道上成功回数を積み上げることが、実用化としては重要であり、開発した光学?画像処理技術の信頼性と再現性を実証し、社会実装に向けた重要な一歩となりました。
 本観測では、これまでの成果を基に光学性能の向上を目的として長焦点化したモデルを衛星に搭載。地上分解能約20m/pixel級の可視近赤外ハイパースペクトルデータを取得し、植生解析を通じて地表面の状態把握に成功しました。この成果により、超小型衛星による高性能地球観測の可能性を大きく広げ、今後の衛星リモートセンシング技術の実用化促進が期待されます。また、観測目的に応じた仕様変更が可能なことから、将来的に赤外域への展開などの観測波長の拡大を容易にし、農業?環境?資源分野における高性能リモートセンシングの普及に貢献する技術基盤となります。
 本成果は、産学連携による超小型衛星技術の社会実装に向けた重要な一歩であり、福井大学は今後もアークエッジ?スペース社などの企業らと協力しながら、多様な分野への応用拡大を目指して研究開発を推進します。

プレスリリース資料はこちらをご覧ください。

研究者情報

青柳 賢英 准教授

問い合わせ

取材申し込み等、問い合わせはこちらのページからお願いします。

│ 2025年11月5日 │
ページの先頭に戻る
前のページに戻る